
FINAL HEAVEN x 坂本産業 S30Z レストアプロジェクト
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FINAL HEAVENパーツ担当である僕のZへの熱い愛は、幼い頃、祖父母の家の前に停まっていた叔父のダットサン260Zを見た時から芽生えました。叔父はそのZを40年近く所有しており、特に夕方ごろのかっこいいZのシルエットは、今でも心に強く焼き付いています。
_____________________ 長年、何度も叔父に譲ってもらおうと交渉しましたが、叔父はもちろん愛車を譲ってはくれませんでした。結局カリフォルニア州サクラメントにあったボロボロのZを購入し、友人の車と一緒に日本へ輸入しました。
2012年以降、僕は多くのZを輸入・所有してきました。オリジナルの状態を保った個体から、SR20やLS1に載せ替えた高度な改造車など様々です。
このZは、僕が初めて自分用に日本に輸入した車ですが、完成に至るまでに長すぎる道のりでした。
最初は、友人から小さなガレージスペースを借りて作業を始めましたが、そのガレージの天井が非常に低く(なんと150cm! (>。<))、作業するには厳しい環境でした。工具も基本的なものしかなく、外したパーツを保管するスペースすらありませんでした。
そこで、Facebookの日本人グループに助けを求めるために投稿したところ、ある親切な方がご自身のガレージを貸してくれることになり、レストアの準備も手伝ってくれました。
その後、作業待ちの車が2台が終わった後、1年半にはレストアを開始できるとのことで、あるボディショップに車体とレストア用のパーツを持ち込みました。
ですが。。。現在のボディショップにはよくあることだとは思っていましたが、やはり予想通り、作業は一向に進まず、前の2台も手つかずのままでした。
ショップ自体がとても遠かったので、頻繁に通えないこともあり、このような結果になったのは、自業自得でした。今回のことを教訓に、時間のかかるボディショップや遠いところには依頼しない方が良いということを学びました。
その頃急遽、FINAL HEAVENとしての2024年ノスタルジック2デイズでの展示(Star Road共同ブース)が決まり、
僕たちが取り扱っているKF Vintage製のグリーンパーツを車体に取り付けた状態で展示したいという思いから、すぐにボディショップから車を返却してもらいました。ですがそのショップで車体もパーツも外に放置された状態になっていたため、状態はさらにひどくなっていました。とても落ち込みましたが、出展の日まで残り2か月を切っていたため、パーツの切除とグリーンパネルの取り付け作業を自分ですることにしました。
板金職人として腕はない僕は、古いパーツを取り外す際にボディ形状を保つための補強などを行わず、グリーンパネルを装着したくてただただ作業を進めました。
なんとかNostalgic 2 days 当日までに多くのグリーンパーツを仮付けすることができ、ブース自体は大変好評でたくさんの方に来ていただけました。
イベントは終了し、本格的なレストアに向けて車体を坂本産業へ搬送しました。
ですが、車体を確認してもらった結果、たくさんのパーツを補強なしで取り除いてしまったことが原因で歪みがひどく、別のZを使った方が良いという結論に至りました。
代わりのZのレストアベース車を探すこととなり、国内外両方で、探し回りました。
ちょうどその時期、運よくタイミングが合いパーツとの交換で譲ってもらえる損傷車体を見つけました。この車体を本格的にFINAL HEAVEN のプロジェクトカーにすると決め、坂本産業さんへ搬入しました。
ですが、すぐに開始!!とはいかず。
2台目のZは損傷が元々大きく、車体の歪みを修正するためには「グローバルジグ」が必要でした。坂本産業さんにはその時はまだジグがなく(現在はあります)、水上オートさんにご協力いただき、グローバルジグ修正を行い、その後再び坂本産業さんへ車を戻しました。
・・・・・
そして今に至ります。
今後の予定として、ロティサリーに固定し、ソーダブラストを施したうえで、グローバルジグで錆補修を行い、いよいよ本格レストア作業に移ります。
坂本産業レストア完成までのスピードが驚異的なボディショップです。今回ご縁があり、このプロジェクトを一緒に立ち上げることになりました。詳細は追ってアナウンスしていきます。
Zに憧れを持ち始めていたアメリカ時代から、ここまで来るまでとても長い道のりでした。旧車コミュニティの方々や、業界トップの方々のお力添えのおかげでここまでこれましたこと、感謝してもしきれないです。
いよいよ数ヶ月以内に本格的に作業が始まります。
これからのレストア作業はドキュメンタリーのような形で皆さんにお届けする予定です。プロジェクトの応援是非よろしくお願いいたします!
僕は長年旧車ファンとして活動してきましたが、日本で自分のZを所有・製作する機会がありませんでした。ふとした時に自分は「ただの偽物」のように感じさせることもありました。このZを完成させられれば、ずっと夢に見ていたことが叶う。
イベントや展示会での出展、カーミーティングでいろんな人と話したり、日常のドライブでゆったりドライブ。絶えるまで乗り回したいと思っています。
このZは今後、段階的に進化させていきたいと思っています。最初はマイルドな仕様から始め、徐々に過激な仕様にシフトしていくような進化がいいな、と。最終的に日本でまだ見たことのないようなスタイルにするのが夢です。
このプロジェクトを応援してくださる皆様、そしてFinal Heavenをいつもご愛好いただいている皆様、心より感謝申し上げます。
旧車ライフを一緒に楽しみ、次世代にこれら素晴らしい車たちを残していきましょう!